技術、スタミナ、筋力の発達時期は?
「ゴールデンエイジ」という言葉をご存知でしょうか。
9歳~12歳の年代のことを言い、神経組織間のネットワークが多様になる時期で、スポーツにおける技術習得に最も適した時期と言われています。
一方で、筋力トレーニングを行うのは、高校年代以上の方が向いています。
理由は、高校年代に入ってから骨の成長が安定してくることです。高校に入っても身長が伸びる男子学生だと、その時期でも筋力訓練は効率的に行えないでしょう。
大阪の興国高校では、あまり筋トレで身体を大きくすることに重点を置かないそうです。それは高校卒業してから行った方が効率が良いからです。ただまったくやらないというわけにはいけないので、ラグビー部の体作りを取り入れているとか。
それではスタミナ、心肺機能の向上を図るに向いている時期はいつか。呼吸、循環器系が発達する中学生年代です。
確かに、中学生の時に6分間走や1500m走をよくやらされた覚えがあります。当時はとても嫌でしたが。
このように、年代によって発達する時期が違います。小学高学年は神経、中学生年代は呼吸循環器、高校年代以上で筋骨格系が発達します。
サッカーがジュニアユース、ユース世代で世界と互角に渡り合える理由は、神経系の発達と大きく関係しています。
有名ですが、日本人は足元の技術は高いです。育成年代の場合、技術が試合の結果に大きく影響しているからだと考えられています。
卓球において小学生が大人に勝つという番狂わせが起きるのも、大人と子供で神経系に大きな差がなく、他の競技より筋力を必要としないことが理由でしょう。
こういったことから、小学生年代ではひとつのスポーツをさせるのではなく、複数のスポーツを行うことで様々な動きを経験する必要があります。
以前書いたかもしれませんが、テニスのフェデラーが子どもの頃いくつかのスポーツをし、とりわけ学校ではサッカーばかりしていたこと、母親がテニスのコーチだったにもかかわらず教えたことがないということは、育成の重要な手がかりになるのではないでしょうか。